2013年度 新増設学部・学科特集
2013年度 新増設学部・学科 先取り情報
○中央大学 理工学部人間総合理工学科（設置申請中）
○愛知学院大学 経済学部経済学科（届出準備中）
○中京大学 工学部（仮称）（届出手続中）
機械システム工学科、電気電子工学科、情報工学科、メディア工学科
○名古屋学院大学 法学部法学科（設置認可申請中）
○名城大学（予定）
理工学部 応用化学科、メカトロニクス工学科（新設）
機械工学科（機械システム工学科より名称変更）、社会基礎デザイン工学科（建設システム工学科より名称変更）
私立大の半数近くが定員割れとなる中、２０１３年春も４大学が新設される予定です。母体はいずれも、受験生離れが進む短大または専門学校。修学期間を長くすることで、学生に対する教育研究の質を高める狙いがあります。
新設大学が設置する学部を見ると、「資格系」と「芸術系」に分かれています。前者は、看護学部を設置する札幌保健医療大学と、子ども教育学部を設置する岡崎女子大学。後者は、短大の学科を美術学部にする秋田公立美術大学と、漫画・コミックアート学部を持ち、日本で初めて漫画に特化した大学となる大阪総合漫画芸術工科大学です。
有名大学が相次ぎ学部を新設
18歳人口の安定期に入り、学部（学科）の新設は減少していましたが、来春は近年になく有名大学の設置が増えています。首都圏では、明治大学が総合数理学部を新設予定です。同大は、世界的な研究拠点の創出を目指すグローバルＣＯＥプログラムで「現象数理学の形成と発展」が採択され、これに基づいて学部を新設します。設置キャンパスは２０１３年４月に開校する中野キャンパス（東京・中野区）。既存の国際日本学部も、和泉キャンパス（東京・杉並区）から中野キャンパスに移転する予定です。
中央大学 【解説ページはこちら】は、理工学部に文系・理系の分野を横断して「人間と自然の共生」や「人間の心と体」について学ぶ人間総合理工学科を開設します。東京都市大学は従来の環境情報学部を改組して環境学部とメディア情報学部を設置予定です。環境と情報を明確に分けることで、それぞれの分野に特化した研究教育を進めます。
文系分野では、学習院大学 【解説ページはこちら】が文学部に教育学科を設置します。同学園の初等科と連携した教員養成が期待されています。淑徳大学も教育学部ができる予定です。
中部圏では、愛知学院大学 【解説ページはこちら】が経済学部を開設予定。すでに経営学部と商学部がある同大は、３学部体制でビジネスマンを育成します。３学部は、２年次以降の専門教育を２０１４年に開校する名城公園キャンパス（名古屋市）で行う予定です。
工学部を設置して技術者の育成に乗り出すのは中京大学 【解説ページはこちら】。機械システム工と電気電子工の２学科が名古屋キャンパス（名古屋市）、情報工とメディア工の２学科が豊田キャンパス（愛知・豊田市）と、二つのキャンパスに分けて設置される予定です。名城大学 【解説ページはこちら】は理工学部に応用化学科とメカトロニクス工学科の新設を予定しています。
近畿圏に目を転じると、同志社大学がグローバル地域文化学部の設置を進めています。同学部ではヨーロッパ、アジア・太平洋、アメリカの３コースのいずれかに属し、各地域の言語を駆使して自ら設定した問題を解決する力を身につけていきます。関西学院大学は、連携教育をしていた教育学部の幼児・初等教育学科と臨床教育学科を統合して、新たに教育学科を新設予定です。
また、２０１５年４月と少し先になりますが、理系学部では、龍谷大学が農学部の設置構想を発表しました。農学部を設置する私立大は少なく、全国で７校目となります。近年、農学系に対する受験生の人気が高まっているだけに、今後、注目されそうです。
法、経営などベーシックな系統学部の新設増える
系統別の動向をみると、これまで新設が多かった看護系などの医療系は、一時期の新設ラッシュが収まったようです。現時点で判明している看護学部を新設する大学は、共立女子大学と関東学院大学の２校。医療系の新設が落ち着く一方、ベーシックな学部（学科）を設置する動きが強まっています。前出の愛知学院大学や中京大学のほかにも、東海大学・経営学部や名古屋学院大学・法学部 【解説ページはこちら】、敬愛大学・経済学部の経営学科などです。
時代のニーズに合わせた研究教育内容の変化にともない、学科名称を変更するケースも増えています。愛知大学・国際コミュニケーション学部の言語コミュニケーション学科が英語学科になり、前出の名城大学は理工学部の機械工システムを機械工に、建築システム工を社会基盤デザイン工にそれぞれ学科名を変更します。近畿大学の工学部でも学科名称変更が予定されており、生物工が化学生命工、情報システム工が情報、知能機械工がロボティクスとなります。
大学が学部（学科）を新設、改組する背景には、時代にマッチした人材養成が社会から求められていることがあります。それだけに、いずれの学部・学科も学問分野として将来性があるということです。興味のある系統なら、新設も含めて志望校として検討してみてはいかがでしょうか。